伊予農日記

人間力

数年前から、普通科にも「総合的な探究の時間」が設けられています。この時間は、勉強だけできても、先が見えず何が起きるかわからない時代を生きることは難しいと実感する今、求められるのは、「正解」ではなく「最適解」を見出す力であるとの考えに基づいているものです。

普通科、家庭科、商業科等においても、商品開発が行われ、企業とコラボし、百貨店等で販売している記事をよく目にするようにもなりました。

私は、今こそ、農業高校の魅力を外に向けて積極的に発信する時ではないのかと考えています。昭和25年、科学性、社会性、指導性の3大目標を身に付けさせるため、日本学校農業クラブ連盟が発足して以来、今日まで、農業高校では、積極的にプロジェクト研究が行われてきました。

私は、伊予農生に対して、自分の思いを人前で、堂々と発表できる力を身に付けてほしいと、お願いしてきました。おとなしい性格の人や、自分に自信がない人にとっては、難しいことのように思われるかもしれませんが、練習すれば必ず身に付くものです。年生になって、進学や就職のために面接練習をするとき、はじめは小さな声だったり自信のない態度だったりした生徒が、練習すればするほど、堂々と自分の思いを述べられるようになっていきます。そして、本番を迎え、みな合格を勝ち取ってきました。

また、プレゼンの力を向上させるのに必要なのは、話せる材料があることです。部活動や委員会活動、ボランティアなどで、いろいろな取組をした人ほど、話せる内容が豊富になり、言葉に説得力が生まれてきます。

これまで、私は、生徒の皆さんの多くの取組を見てきました。日々取り組む農業実習、地域の方々との交流、地域農業の継承、部活動など、本当に多くのことに取り組んでいます。

年生は、伊予農業高校で経験した数多くのことに誇りを持ち、その経験を生かして社会でも大いに活躍してください。1・2年生は、先輩方のしていることを追いかけながら、熱心な先生方の指導のもと、よい経験を積み上げ、生徒一人一人が輝き、今以上の成長をしてほしいと願っています。

後輩をしっかり導いてくれている上級生の皆さん、伊予農業高校を引っ張ってくれ、本当にありがとう。

これから先、高度情報化社会がますます進み、AIと共存していく時代がやってきます。日々の生活において、予測困難で何が正解かわからない状況の中、私たちに必要となるのは、人として思いを伝え合い、より多くの人が納得できる方策を導き出す力です。農業高校だからこそ味わえる、喜び、気遣い、思いやり、感謝、達成感と充実感。これらは皆、AIにはない、人間らしい心です。特に、伊予農ではこの「人間力」を育成する教育に力を注いでいます。

今後とも多くの人に支えられながら、そして多くの人を支えることができるよう、伊予農で過ごす3年間の経験と人間力を糧に、活躍してほしいと願っています。